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    ポートフォリオの最適化(平均分散法)
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    ポートフォリオの最適化(平均分散法)

    公開日:2022年6月28日\tiny公開日:2022年6月28日公開日:2022年6月28日

    平均分散法とは?

    この記事の内容

    • 平均分散法とは?
    • 現代ポートフォリオ理論の祖:ハリー・マーコウィッツ
    • ポートフォリオのリターンと標準偏差
    • n個の資産から成るポートフォリオのリターンと標準偏差
    • 実際にコンピュータに計算させてみる
    • ポートフォリオのリターンと標準偏差
    • まとめ
    • 数式での表現

    前回の記事「分散投資」では、2個の資産を用いて最適な投資比率を求めました。

    しかし、実際に投資を行うときは3個以上の資産に投資することが多いと思います。そのようなときはどうやって最適投資比率を決定するのでしょうか?

    現代ポートフォリオ理論の祖:ハリー・マーコウィッツ

    複数資産のポートフォリオの最適投資比率は、シカゴ大学博士課程の学生だったハリー・マーコウィッツが24歳のときに発表した「平均分散法(マーコウィッツ法)」によって求めることができます。70年も前に発表された理論ですが、リターンとリスクのバランスを考えてポートフォリオを作る際には有効とされ、後に彼はノーベル経済学賞を受賞しています。

    前提を正しく計算するのが実務的に難しいことや、極端な資産配分が出やすいなどの弱点はいくつかあるものの、制約条件を追加したり、他のテクニックなどと組み合わせたりしつつ現在でも資産運用の現場で活用されています。

    今回は、現代ポートフォリオ理論においてもっとも基本的な手法である、平均分散法のご紹介をします。

    ポートフォリオのリターンと標準偏差

    前回は簡単のため2資産の場合でご説明しました。次は3資産の場合で考えてみます。例えば、100万円を3つの資産に分けて投資しようとすると、

    (30%,30%,40%),(25%,50%,25%),(70%,20%,10%),(60%,20%,20%)...(30\%,30\%,40\%),\\ (25\%,50\%,25\%),\\(70\%,20\%,10\%),\\(60\%,20\%,20\%)...\\(30%,30%,40%),(25%,50%,25%),(70%,20%,10%),(60%,20%,20%)...

    と様々な配分の組み合わせが考えられます。資産の数が増えていくと配分はますます複雑になり、その場合の数は膨大になってしまいます。

    このように資産の数が増えるにつれて、爆発的に組み合わせ数は増えてしまうのですが、資産の数によらずポートフォリオ全体の期待リターンと標準偏差は以下の式で計算できます。

    n個の資産から成るポートフォリオのリターンと標準偏差

    ポートフォリオの期待リターン:rp=∑i=1nwiriポートフォリオの標準偏差:σp=∑i=1nσi2wi2+2∑1≤i<j≤nσiσjwiwjρij\begin{align*} ポートフォリオの&期待リターン:r_p=\sum_{i=1}^nw_ir_i\\ ポートフォリオの&標準偏差:\\ \sigma_p&=\sqrt{\sum_{i=1}^n\sigma_i^2w_i^2+2\sum_{1\le i<j\le n}\sigma _i\sigma_jw_iw_j\rho_{ij}} \end{align*}ポートフォリオのポートフォリオのσp​​期待リターン:rp​=i=1∑n​wi​ri​標準偏差:=i=1∑n​σi2​wi2​+21≤i<j≤n∑​σi​σj​wi​wj​ρij​​​wi:i番目の資産への投資比率ri:i番目の資産の期待リターンσi:i番目の資産の期待リターンの標準偏差ρij:i番目とj番目の資産の期待リターンの相関係数\begin{align*} &w_i:i番目の資産への投資比率\\ &r_i:i番目の資産の期待リターン\\ &\sigma_i:i番目の資産の期待リターンの標準偏差\\ &\rho_{ij}:i番目とj番目の資産の期待リターンの相関係数 \end{align*}​wi​:i番目の資産への投資比率ri​:i番目の資産の期待リターンσi​:i番目の資産の期待リターンの標準偏差ρij​:i番目とj番目の資産の期待リターンの相関係数​

    実際にコンピュータに計算させてみる

    膨大な数の組み合わせについて、ポートフォリオの期待リターンと標準偏差を手計算するのは大変ですが、現在はコンピュータの力を借りると一瞬で計算ができてしまいます。

    資産の保有割合をランダムに変化させたポートフォリオを10000個作り、それら全てに対して上記の数式で期待リターンと標準偏差を計算してみました。

    その結果を縦軸にリターン、横軸に標準偏差としてプロットすると以下のようになります。

    image

    この一つ一つの点が、その期待リターンと標準偏差を実現する投資比率のポートフォリオを表します。

    さて、同じ標準偏差(リスク)であると、高いリターンのほうが望ましいため、それぞれの標準偏差について最も大きなリターン(上の方にある点)をつなげると、上図のオレンジの線が浮かび上がります。

    このような、特定の標準偏差において期待リターンが最大になる点の集合を「効率的フロンティア」と呼びます。すでに目標リスクが決まっているのであれば、そのリスクを満たすポートフォリオのうちでもっともリターンが高いものを選択するのが合理的である、すなわち効率的フロンティアの中から選択するのが最も理にかなっているということが言えます。

    ポートフォリオのリターンと標準偏差

    では、目標リスクが特に決まっていない場合はどうなるでしょうか?リスクが決まっていない場合でもリスク1単位あたりのリターン(つまりシャープ・レシオ)が最大になるようなポートフォリオを選ぶことで、後悔の少ないポートフォリオを選択する目安になりなります。

    簡単のため無リスク利子率を0%とすると、シャープ・レシオは次のように表されます。

    シャープ・レシオ=期待リターン標準偏差シャープ・レシオ=\frac{期待リターン}{標準偏差}シャープ・レシオ=標準偏差期待リターン​

    ここでグラフにおいて横軸、縦軸の値に注目すると、シャープ・レシオが「原点を通る直線の傾き」を表すことがお分かりいただけるでしょうか。

    image

    上のグラフに着目するとシャープ・レシオが最大のポートフォリオは、原点から効率的フロンティアに引いた接線の接点であることがわかります。

    シャープ・レシオの定義通り、リターンの期待値(平均)と標準偏差(分散の平方根)に着目して最適なポートフォリオを求めるので、この手法を「平均分散法」と呼ぶのです。

    まとめ

    • 多数の資産から成るポートフォリオ群の期待リターンと標準偏差をプロットすると、ある標準偏差において期待リターンが最大となるポートフォリオの集合、「効率的フロンティア」が描ける。
    • シャープ・レシオは横軸:標準偏差、縦軸:期待リターンの平面において、直線の傾きを表す。
    • 原点から効率的フロンティアに引いた接線の接点が、シャープ・レシオが最大のポートフォリオとなる。

    数式での表現

    行列を用いると、平均分散法は次の式のUUUを最大化する投資比率wwwを求める問題として考えることができます。

    効用関数:U=μ′w−λ2w′Σw効用関数:U=\mu'w-\frac{\lambda}{2}w'\Sigma w効用関数:U=μ′w−2λ​w′Σw

    ここで、

    w:投資比率ベクトルμ:期待リターンベクトルΣ:共分散行列A′:行列Aの転置行列λ:リスク回避度\begin{align*} w&:投資比率ベクトル\\ \mu&:期待リターンベクトル\\ \Sigma&:共分散行列\\ A'&:行列Aの転置行列\\ \lambda&:リスク回避度 \end{align*}wμΣA′λ​:投資比率ベクトル:期待リターンベクトル:共分散行列:行列Aの転置行列:リスク回避度​

    執筆者

    古村 駿

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