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メディア紹介社内勉強会不振が続いたディフェンシブ戦略とは? Greenファンドのパフォーマンス解説
いつもSUSTENをご利用いただきありがとうございます。
お客様から寄せられる様々なご質問に、最高投資責任者(CIO) 山口がお答えする「SUSTEN CIO Interview」をお届けします。
左/代表取締役 CIO 山口雅史 右/カスタマーサポート 山田記実
ーー よろしくお願いします。今回は、SUSTENの基幹ファンドともいえるGreenファンドのパフォーマンスについてご解説いただきたいと思います。
山口 はい。Greenファンドに関しては、これまでにお届けしたお客様向けレポートと内容が重複する部分もあろうかと思いますが、今日はできる限りかみ砕いて、特に投資初心者のお客様にも直観的にご理解いただけるようお伝えできればと思います。
ーー 前回も少し触れていただいた通り、昨年から続くマイナスの主因は「保有していた債券の下落」とのことでした。
マイナスの主因はディフェンシブ戦略が保有する債券
山口 Greenファンドの中には大きく分けて6つの投資戦略が組み込まれていますが、そのうちのひとつ「ディフェンシブ戦略」で保有していた債券が値下がりしたことによるものです。
直近1年間の戦略別パフォーマンス寄与度の推移
ーー ディフェンス=守備という言葉からも、債券を保有していることは想像できますが、一体どんな戦略なのでしょうか。
山口 簡単に言ってしまえば「リスクが低い資産を買い、リスクの高い資産を売る」ことで収益を狙う戦略です。「ハイリスク・ハイリターン」と言われるように、一般的にはリスクが高い(値動きの荒い)資産の方が、得られるリターンも大きいと思われがちですよね。でも実は、リスクの見返りとして得られるリターンの大きさは?という「投資効率」の観点からは、リスクの低い資産の方がリターンを得やすいと言えるんです。
6つの投資戦略と主な投資対象
ーー 「投資効率」はSUSTENでも肝となるキーワードですよね。
山口 はい。投資の世界では「シャープ・レシオ」と言われる指標で測りますが、今日はイメージを掴んでいただく目的で、リターンをリスクで割ったごく簡単な数字で比較してみますね。約20年間のデータを用いて算出して見てみると、リスクの低い順、債券(短期)>債券(長期)>株式 の順でリスクあたりリターンが大きかったことが分かります。(シャープ・レシオの詳細はこちら)
米国株式および債券のリスクあたりリターン比較
ーー 上記のグラフは、昨年経験した債券の歴史的下落を含んでいますよね?
山口 はい。それでもなお、リスクあたりリターンでみた債券の優位性は変わりません。ディフェンシブ戦略では、どのような環境であれ常に債券(特に短期債)に重点的に投資が行われることになります。
ーー なるほど。投資で儲かるには株で一発当てなければ!なんて、怖いイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが…
山口 そのイメージが資産運用を始めるハードルになっている場合もありますよね。実際に、投資家の多くがリスクの高い資産を少しだけ買う傾向にあるのですが、ディフェンシブ戦略はその逆で、リスクの低い資産をたくさん買うことで効率よくリターンを獲得しようとしているのです。
ーー 債券を多く保有している背景については理解できました。一方、昨年のように金利が上昇し続ける(債券価格が下落し続ける)局面でも保有を続けることには、ご不安の声もあがりました。
改めて考えるSUSTENの投資哲学と計量運用
山口 確かによくご意見をいただくところなのですが、「どのような環境であれ常に」とお伝えした通り、足元の市場動向に振り回されてルールを変えることはありません。ここをご理解いただくにはまず、『投資は科学である』というSUSTEN全体の投資哲学を改めてご案内する必要があるかもしれません。
ーー 「人間の経験や勘に頼らない」という点はSUSTENの紹介で度々登場するフレーズですよね。
山口 Greenファンドに限らず、SUSTENではすべての投資判断を計量モデル(コンピューター・プログラム)が行っています。私たち運用者(人間)は、その計量モデルの研究・開発を行う立場にあり、資産の売買に関して直接判断を下すことは通常ありません。これにより人間の場当たり的かつ近視眼的な投資行動や認知バイアスを徹底的に排除しようとしています。(認知バイアスの詳細はこちら) ーー 投資を始めるとつい短期的な値動きに一喜一憂して売買を判断してしまいますよね…
山口 昨年のようにマイナスが続くと何か応急処置ができないかと考えてしまうのも無理はありませんが、金利は株式や為替と同様、タイミングを図ることがもっとも困難な対象のひとつです。いつどのタイミングでマイナスになるかを予想して売買することは、不確実性が極めて高く、オッズの悪いギャンブルに手をだすのと変わりません。短期売買はなるべく行わず、辛抱強く長期保有することが王道だと考えています。
ーー 債券は基本的にはプラスの利回りが期待できることも繰り返しお伝えしている点ですが、おさらいをお願いします。
歴史的な下落を経験しても債券投資の基本は変わらず
山口 はい。皆さんご承知の通り、債券は発行体が破綻しない限り最後は必ず「元本」が戻ってきます。昨年のような一時的な逆風があっても、気長に保有を続けていればいつか報われるものです。昨年来の債券の下落は、過去に類を見ないものでしたが、それでも株式と比較すると下落幅は限定的です。
米国債券と米国株式の主な下落局面
ーー 株式に比べると回復も早い傾向にありますね。金利収入を味方につけた長期保有が大切ということですね。
山口 そうですね。ただ、買い持ちが前提ではあるものの、適切なタイミングでポートフォリオの微調整を行っていることもあわせてお伝えできればと思います。
ーー Greenファンドは個人向け投信としては珍しく主に先物を使っていますよね。
山口 はい。投資対象が値下がりすることで収益を得る「売り持ち」も行っているため、保有比率はマイナスにもプラスにも大きく変動させることができます。ディフェンシブ戦略では債券の買い持ちを継続していますが、他戦略と合わせて見るとまた大きく変化します。
ーー なるほど。先物を使った投資については近々取り上げてみたいです。
山口 そうですね。債券投資といっても先物と現物で異なる点もありますので詳しくご案内する必要がありそうです。また、今後は他戦略やモデルの研究・開発についても、ご報告の機会を増やしていきたいと考えています。
ーー ありがとうございます。次回以降もよろしくお願いします。
いかがでしたでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。SUSTENに関するご意見・ご質問などは、SUSTENカスタマー・サポート(support@susten.jp)までお気軽にご連絡ください。
追記
本資料は、株式会社sustenキャピタル・マネジメント株式会社(以下「当社」といいます。)が提供する投資一任サービス(「おまかせ投資機能」と呼称する場合があります)、および投資信託の直接販売(「つみたてNISA機能」と呼称する場合があります)についてご紹介するものです。当社が提供する商品・サービスはいずれも値動きのある有価証券等に投資しますので、投資評価額は変動します。したがって元本が保証されているものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した情報・データ等に基づいて作成されていますが、当社がその正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に記載された市況や見通し等は、本資料作成時点の当社の見解であり、将来の動向や結果を示唆あるいは保証するものではありません。また、将来予告なしに変更する場合があります。
投資一任サービス関連
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当社の投資一任サービスでは、お客さまとの投資一任契約に基づき、お客さまに代わって預り資産の管理・運用を行います。具体的には、お客さまにあらかじめ同意いただいた上で、当社が設定・運用する複数の投資信託を対象とした投資運用を行います。投資一任契約のお申込みに当たっては、契約締結前交付書面をお渡ししますので、必ず内容をよくお読み下さい。
投資一任契約に係る費用
・基本運用報酬:ありません。
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投資一任契約に係るリスク
・投資対象とする投資信託は、主に価格変動のある有価証券等(外貨建資産の場合は為替変動も含まれます。)に投資しますので、基準価額は変動します。基準価額の変動要因としては、主に株価変動リスク、先物取引利用に伴うリスク、金利変動リスク、流動性リスク、信用リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、および商品市況の変動リスクが挙げられますが、これに限定されません。したがって、投資者(受益者)の皆さまの投資元本は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
・投資信託の運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。なお、投資信託は預貯金とは異なります。また、投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。お取引の前に投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面を必ずご確認ください。
その他の留意点
投資一任契約の締結および投資一任契約に基づく投資信託の買付けは、金商法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
投資信託の直接販売(つみたてNISA)関連
対象となる投資信託
「グローバル株式インデックス・ポートフォリオ(M)」(以下「当ファンド」といいます)
※お申込みに際しては販売会社(現在は当社のみ)からお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資者が直接的に負担する費用
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投資者が信託財産で間接的に負担する費用
・当ファンドの信託報酬率と投資対象とする投資信託受益証券の運用管理費用を合わせた実質的な信託報酬率:当ファンドの純資産総額に対して年率0.297%程度(税抜0.27%程度)
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※詳細については、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
当ファンドの投資リスク
・当ファンドは、主に価格変動のある有価証券等に投資しますので、株価の変動、実質組入外貨建資産に係る為替変動、株式発行者の信用状態の変化、投資対象有価証券等の市場流動性の変化、実質的な投資対象国の政治・経済情勢等の変化(カントリーリスク)、等の要因により基準価額が変動します。また、かかる市場流動性の低下により、換金申込みの受付中止等の可能性があります。したがって、投資者の皆さまの投資元本は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。なお、投資信託は預貯金とは異なります。
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※詳細については投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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株式会社sustenキャピタル・マネジメント
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- 不振が続いたディフェンシブ戦略とは? Greenファンドのパフォーマンス解説
- マイナスの主因はディフェンシブ戦略が保有する債券
- 改めて考えるSUSTENの投資哲学と計量運用
- 歴史的な下落を経験しても債券投資の基本は変わらず
執筆者
山口 雅史
代表取締役 最高投資責任者
山田 記実
総務本部長