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メディア紹介ウィークリーマーケットレポートSUSTEN 社内勉強会 Vol.51 2024年7月15日~7月19日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(7/15~7/19、海外市場は7/12~7/18)の米国市場の動きを振り返ってみましょう。株式は前半には上昇したものの週の半ばからは下落が続き、週次ベースではマイナス。債券は方向感に乏しい展開で週次ではほぼ横ばい。為替はその前の週に引続き円高ドル安の傾向でした。
はまだ:この週の注目指標は6月の小売売上高だったと聞いています。予想は上回ったものの、前月比でフラット(増減なし)との結果だったので、9月利下げ開始の見方にはほとんど影響せず、むしろ債券利回りは低下していましたね。経済指標の面では総じてサプライズは無かったような印象です。でも7/17には、債券市場があまり動きのない中で、株式市場が大きく下落していましたね。
はしもと:米国政府が半導体業界に対して規制を強めたとか、トランプ氏の発言が影響したとか、ニュースで聞きました。
ひろた:この7/17の株式市場の動きは今までとはかなり違っていましたね。今年の株式市場をけん引してきたハイテク企業、特に半導体関連の銘柄が大きく下落し、一方で生活必需品、エネルギー、金融、不動産といったセクターの株価は上昇するという、年初来からの動きの逆のような展開でした。
はまだ:ニュースで報じられた内容は、どう影響したのでしょうか。
ひろた:米国政府の規制とは、中国で高性能の半導体の製造が可能となるような機器を中国に輸出している米国外の企業に対するもので、具体例としてオランダのASMLや日本の東京エレクトロンが挙げられていました。このことが、エヌビディアなど中国向けの販売を伸ばしている米国の半導体企業にも影響ありと見なされました。また、トランプ氏は、米国が安全保障の面で支援している台湾が半導体の受託生産で成功していることから、「台湾は防衛費を支払うべきだ」と発言し、それが台湾の代表的な半導体製造会社であるTSMCの株価に影響し、さらにはエヌビディアやアームなど、半導体の開発・設計に特化し製造を台湾企業に依存している企業群の株価にも波及していました。
はまだ:とても細かい内容の背景があったのですね、初めて知りました。
はしもと:今までAI関連の銘柄が米国の株式市場をリードしていましたよね。風向きが変わってきたのでしょうか。
ひろた:まさにそうかもしれません。今回報じられた内容は、まだ確定ベースの情報ではないように思われます。トランプ氏の発言自体は本当でしょうけれど、実際にトランプ氏が大統領になるか、大統領になったとしてどのような政策を選択するのかは未知数です。これまで年初頃からずっとAI相場が続き、エヌビディアなどの半導体銘柄に割高感が出てきたことから、このような未確定のネガティブな情報に市場が過剰に反応したように思われます。
はまだ:なるほど。トランプトレードという言葉もニュースで耳にしましたが、トランプ有利との見方が有力になって以来、銀行・ヘルスケア・エネルギーといったセクターが買われたり、長期債の利回りが一時上昇に転じたりしたのもそのせいのようですね。今までのように、政策金利引下げの見通しが高まれば株式が上がる、というシンプルな図式では無くなってきて、先が見通しづらい感じがします。
ひろた:そうですね。為替相場に関しては、輸入品の関税引上げでインフレが再び進行、債券の利回りが上昇するのでドル高進行を予想するのがトランプトレードとしては一般的なのですが、先週はドル高を問題視するトランプ氏の発言が報道されたために、かえってドル安が進行していました。政治要因は数字ではっきりと影響度を測定するのが難しく、政治家自身が発言内容を変えることもあるので、市場がどの程度反応するか予測が困難ですが、特にこれから米大統領選挙の結果が出るまでの3カ月強の期間は、目が離せない状態が続きそうです。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!