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メディア紹介ウィークリーマーケットレポートSUSTEN 社内勉強会 Vol.44 2024年5月27日~5月31日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(5/27~5/31、海外市場は5/24~5/31)の動きを振り返ってみましょう。前週に引き続き、債券、株式ともに下落、為替は大きな変化はありませんでした。注目が集まっていたPCEデフレーター((個人消費の物価動向を示す指標 ※)については市場予想通りでした。
はまだ:FRB(米連邦準備理事会)の高官が、インフレの顕著な改善を待ってから利下げすべきだとの考えを示したとニュースで読みました。そのあたりも影響したようですね。
はしもと:今年ももう半分近くが経過しようとしていますね。5月も終わりで6月になりました。5月の株式市場は比較的好調だったように思いますが、何が要因なのでしょうか。
ひろた:そうですね、いくつか理由が考えられると思いますが、米国主要企業の業績が堅調で、第1四半期の業績がほぼ出揃いましたが、売上や利益がともに事前の予想を上回り前年同期比でプラスだったことが挙げられますね。
はまだ:前年同期比で、売上は平均+4%、利益は+8%と良好だったと聞きました。売上より利益の増加幅のほうが大きかったようです。(出所:ロイター/LSEGデータ)
ひろた:その通り、利益が大きくプラスだったようですね。ところで、米国はここ数年間、ずっとインフレ率が高い状態が続いていましたよね。その影響はどうだったのでしょうか。
はしもと:そうですね、直近でインフレ率は年3%程度ですので、それを差引くと売上の上昇率は約1%、利益の上昇率は5%程度ということになるでしょうか…。インフレを考慮すると、見かけよりも売上や利益の増加幅が大きくないですね…。
はまだ:インフレ率を差引いて考えると、売上はほとんど横ばい状態だったのに、利益はそれなりに増えていたことになりますね。
ひろた:その通りですね。実は、インフレ、つまり物価が上昇している状態の中では利益が出やすくなると言えます。企業は原材料を仕入れたり、そのための資金を借りたりして企業活動を行いますが、原材料を仕入れるタイミングよりも製品を販売するタイミングの方が後になることや、資金を借入する時の金利や人件費、地代といった費用も一般にインフレの進行より上昇する時期が遅くなるので、結果として、企業活動におけるコストよりも売上の方がインフレに連動して上昇するために、企業の利益が増えるのです。
はしもと:なるほど、インフレは物価が上昇するというイメージしかありませんでしたが、企業の売上や利益にそういうプラスの影響を与えることもあるのですね。
ひろた:そうなんですよね。先進国各国の中央銀行のインフレ率目標が約2%程度とされていますが、デフレではなくインフレの状態を維持することは企業活動、ひいては経済の成長を維持する上で非常に重要であることがよくわかりますよね。
はまだ:消費者目線で言えば物価が上がるとツライですが、企業目線で見てみるとポジティブな面があるのですね。物価の上昇と一緒に賃金も上がるといいのですが…。
ひろた:余談ではありますが、S&P500の第1四半期の決算を詳しく見てみると、いわゆるハイテク大手企業7社からなる銘柄群「マグニフィセント・セブン」の利益が前年比+51%、その他の493社は前年比▲1%という結果であったそうです。(出所:みずほ証券/Bloombergデータ)企業業績が堅調と言っても、直近まではほんの一握りの企業群が牽引している状態だった、とも言えますね。データは細かく見ていくといろいろと勉強になります。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!
※PCEデフレーターの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。