SUSTEN 社内勉強会 Vol.41 2024年5月6日~5月10日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(5/6~5/10、海外市場は5/3~5/10)の動きをゴールデンウィークの時期を含めて振り返ってみましょう。米国株式は一時下落する局面も見られましたが総じてプラス基調でした。債券は直前までは利回りが大きく上昇していました(価格は大きく下落)が、反転して下落(価格は上昇)していましたね。為替は、一時ドル円相場が1ドル=160円台に到達したものの、市場介入観測によって逆に円高となり、その後は結局じりじりとドル高が進みました。 社内勉強会レポートについては今週からAndyに代わり、はまださんが仲間入りしました!
はまだ:エンジニアとしてSUSTENで仕事をしていますが、最近金融の勉強を本格的に始めました。まだまだわからないこともありますが、よろしくお願いいたします!さっそくですが、5/3には米国雇用統計の発表がありましたよね。ニュースで見る限りは、雇用者数の伸びが減速して失業率が上昇しているとのこと…。若干景気の過熱感が収まってきている感じなのでしょうか?
ひろた:そうですね。労働市場の需給が緩んで賃金の上昇も緩やかとなり、インフレが再加速するかもという懸念がやや低下してきていますね。それにより、年内に利下げの局面へと移行するのではないかという観測が再び台頭している状況です。
はしもと:4月上旬まではインフレが再加速するかも、という懸念がありましたよね。2、3ヵ月おきにインフレに関する楽観と悲観が交互に現れている感じで、何だか目まぐるしいですね。
はまだ:ここ数ヵ月の市場の流れがだいたい理解できました。一つ気になっている投資格言があるのですが、「セル・イン・メイ(Sell in May)」という言葉をご存知でしょうか。素直に考えると、5月は売りだという言葉だと思うのですが、これってどう考えたらいいのでしょうか?
はしもと:「セル・イン・メイ」ですか…。はじめて聞きました、興味深いですね。
ひろた:「セル・イン・メイ」は実は「セル・イン・メイ・アンド・ゴー・アウェイ」という格言で、米国では5月に株式を売って、9月になったらまた市場に戻ってきて投資を再開するのがよい、という意味です。この格言の信憑性がどのくらいあるのか、気になりますよね。
はしもと:気になります!本当に5月に売って、9月に投資を再開したほうがパフォーマンスがいいのでしょうか?
ひろた:実は野村證券が直近で調べた結果があるので、参考にしてみましょう。日本・米国の株式で、1940年代から現在に至るまで、長期にわたって調べた結果を見てみると、平均騰落率でも勝率でも、9月末に買って翌年4月末に売るほうが、4月末に買って9月末に売るよりもパフォーマンスがよかったのです。
はまだ:9月末に買って翌年4月末に売るほうがパフォーマンスがよい、ということは、格言通りということですよね?
ひろた:そうなります。念のために、昨年末までの過去40年間のS&P500で調べてみたところ、 月別の平均騰落率では8月と9月がマイナスになっているんです。特に9月は1~12月の中で唯一マイナスとなった年の数がプラスとなった年の数を上回っていました。この結果だけから考えると格言通りかも?と思うかもしれませんが、単月で最悪の年月を調べてみますと1位が1987年10月のマイナス22%、2位が2008年10月のマイナス17%、3位が1998年8月のマイナス15%でした。歴史的なマイナス月のトップ2が10月に発生していたことを踏まえると、9月末に株式投資を再開することが良かった、とは必ずしも言えない気がしてきます。
はまだ:9月に投資を再開して10月にすぐ暴落、なんてことになったら目も当てられませんね…。
ひろた:そうですね。ちなみに、5月と7月は月別の騰落率平均を上回る騰落率となっていました。月毎にリターンの差が生ずる背景について考えてみるのは興味深いですが、結論的にはタイミングをはかって投資するのはやはり難しい、ということになりそうです。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!