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メディア紹介社内勉強会SUSTEN 社内勉強会 Vol.54 2024年8月5日~8月9日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(8/5~8/9、海外市場は8/2~8/8)の米国市場の動きを振り返ってみましょう。前回触れましたが、8/2に公表された雇用統計で、失業率が市場予想を上回って上昇したことから景気後退への懸念が高まり、債券高と株式安が大きく進みましたが、週の後半はその逆の展開となりました。8/9時点の月初来で見ると、S&P500指数がマイナス約3%、債券利回りがマイナス0.1%となっています。為替は同じく月初来で3円以上の円高ドル安となっていました。
はまだ:この週は、何と言っても日本株の下落が大きく、日経平均は同じく月初来で10%を超える下落となったのが目立ちました。また、「オルカン(※)」の愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式」も、同じく月初来で5%を超える下落となっていました。円高が進んだ分、マイナスが膨らんだようです。
はしもと:米国市場だけで見ると、8/2に起こった市場の混乱はさほど大きな影響はなかったみたいですよね。日本だけがかなり影響が大きかった気がします。
ひろた:たしかに、そんな印象を受けますよね。何が起こり、何が変わったのか、確認してみるのがよさそうです。そもそもの発端は、米国が景気後退に陥る懸念だったと思いますが、何か追加の情報はありましたか。
はまだ:米国FRBの高官が「景気後退の状態にはなっていない」との見解を示したこと、またISM非製造業総合指数などの経済指標が上向いていたことなどから市場が落ち着きを取り戻した、とニュースで読みました。
ひろた:なるほど、どうやら景気が減速していそうだけれど、どの程度かはまだはっきりしていない、ってことでしょうね。米国の2年債と10年債の利回りはどうなっていますか?
はまだ:あ、この利回りの差がずいぶん縮まっているんですね。ここしばらくは2年債の方が10年債より利回りが高い状態が続いていましたが、先週はほとんど差がない状態になっていました。2年債の方が大きく利回りが下っていたんですね。
ひろた:そうですね、債券市場がFRBによる政策金利の引下げをかなりの確度で織り込んできた証拠だと思います。期間の長い債券の方が利回りが高いという、言わば普通の状態に近づいているのかもしれません。
はしもと:政策金利がこれから引下げになるなら、株価は上がっていてもおかしくないような…。日本株の下げ幅が大きかったのも不思議です。
ひろた:日本株は円高にネガティブに反応するのが通例ですが、今回は、米国の景気減速と、日米間の金利差縮小の見通しを背景にした急ピッチな円高の進行が同時に起こったので、世界的にみても日本株が最も下落幅が大きかったのだと思います。米景気への懸念が落ち着き、円高も一服する中で、日本株もそれなりに値を戻していますね。日銀は7月末の政策決定会合では今後の利上げの可能性を示唆していましたが、先週は追加利上げに慎重な姿勢を見せたので、今までと逆に円安に動く場面もありました。
はまだ:こうして見ると、何が変わったのかと言えば、米国の金利が低下してきていること、その結果として米ドルと円との金利差が縮まって円安に振れにくくなっていることかと思いました。株式市場についてはよくわからないですね。
ひろた:株式市場は、年初来では米国株、中でも半導体や大手ハイテクの銘柄群がAIを成長ストーリーにして牽引してきました。日本株も企業収益が堅調な中で割安感があり、海外の投資家からの買いが入って上昇を支えていました。この先については、どうなるか読みづらいですね。PER(株価収益率)で見ると、日本株が過去平均よりもかなり割安な状態にまで下落した一方で、米国株はまだ過去平均より高い水準にあるので、景気の先行き次第では要注意かもしれません。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!
※オルカンとは: 「オールカントリー(全世界)」の略語であり、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に係る三菱UFJアセットマネジメントの登録商標です。同ファンドは、新興国を含む世界の様々な国や地域の株式に広く分散投資をするインデックス投資の一例です。