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メディア紹介ウィークリーマーケットレポート本ページは2023年末までの旧NISA制度についての解説記事です。 2024年から制度変更となった新しいNISAについてお知りになりたい方は、当社が運営するNISA制度解説Webサイト「ポケットNISA」をご覧ください。
長期分散投資に!つみたてNISAの特徴とは?
前回の記事では一般NISAの制度内容や意外な落とし穴の存在についてご紹介いたしました。
前回の復習
本記事では、つみたてNISAの基本的なしくみとメリットについて、お話しいたします。
つみたてNISAとは、特に小額からの長期・積立・分散投資を支援するため2016年に開始された非課税制度です。 現在の制度では、毎年40万円×20年間で、最大800万円分の投資元本が非課税で運用できます。
選べる商品は、金融庁の基準を満たした投資信託やETFのみです。
対象商品は、手数料が低水準であること、頻繁に分配金が支払われない投資信託であることなど、長期・積立・分散に適した公募株式投資信託とETFに限定されているため、投資初心者の方をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
投資可能な商品数は2023年2月9日時点で211本※です。
※(参考)金融庁「つみたてNISA対象商品届出一覧」
金融庁が定めた条件の一例(投資信託の場合) ・販売手数料がゼロ ・信託報酬は一定水準以下 ・信託期間が無期限または20年以上であること ・分配頻度が毎月でないこと ・ヘッジ目的の場合を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと。
つみたてNISAは初心者の方にも始めやすい制度と言われています。
つみたてNISAが投資初心者の方におすすめされる4つの理由
一般NISA とつみたてNISA のどちらを始めようか、と悩まれている方もいらっしゃるかと思いますが、一般的に投資初心者の方や、将来の資産形成のために投資を始めたいとお考えの方にはつみたてNISA がおすすめと言われています。
ここからは、つみたてNISA の代表的な4つのメリットのご紹介です。
① 少額で無理なく続けられる
現行のつみたてNISA制度では、年間の投資額上限が40 万円と定められおり、毎月100 円~数万円程度で、無理なく投資を続けられます。
「投資」や「資産運用」と聞くと、何百万円、何千万円の資金が必要、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、毎月少額を投資に回した場合でも将来的に大きな資産を築くことができる可能性があります。
例えば、毎月2万円の貯金を20年間続けた場合、20年後の貯金額は480万円です。一方で、毎月2 万円の積立でコンスタントに年率5%の運用ができる場合、20年後には820万円程度の運用成果を得ることができます。
20年後に売却した場合の運用収益が300万円になったとしましょう。
一般的な投資では20%程度の税金が課されるため手取りの利益は240万円程度となりますが、非課税口座を利用すると300万円を受け取ることができます(売買手数料はかからないものとします)。
また、つみたてNISA は月々の積立金額の変更や一部解約も自由にできるので、家計収支の状況が変わったりライフイベントが発生した場合には、無理のない金額に変更することも可能です。
② 投資商品を選びやすい
現在、日本国内で販売されている投資信託は約6,000 本です。
この約6,000 本の投資信託には、投資対象地域や投資対象資産(収益の分類)など、それぞれに特徴があり、投資初心者の方にとっては、商品の選択が難しく感じられるかもしれません。
一方で前回の記事でもご紹介したとおり、つみたてNISA で購入できる商品は金融庁の基準を満たした投資信託とETF のみで、投資可能商品も211 本(2023 年2 月9 日時点)と厳選されています。
長期・積立・分散投資に適していると判断された投資信託の中から選択できるので、初めて投資をされる方も安心して商品を選ぶことができます。
また、つみたてNISA の商品は購入時手数料が0 円で信託報酬も低水準のため、コストをあまり気にせずに投資できます。
③ 購入するタイミングの判断が不要
投資初心者の方にとっては、「いつ買うか」ということも悩むポイントになるのではないでしょうか?
投資で利益を得るには、安い価格で購入し、高い価格で売却することが原則です。
しかし、私たちは未来の正確な値動きを予測することはできないので、最も良いタイミングで売買することは不可能といっても過言ではありません。
自分でタイミングを考えてしまうと、「昨日購入しておけばよかった」というような後悔が生じる可能性もあります。「もう少し下がったら購入しよう」と考えている間に価格が上がり、購入のタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
積立投資の場合は、毎月決められた日に一定金額が自動的に投資に充てられるので、「いつ買うか」に悩むことがありません。
④ 長期投資の恩恵を受けられる
つみたてNISA は少額から無理なく続けられるため、投資初心者の方にも長期投資の実現が可能です。
2024 年からNISA の非課税保有期間が無期限となることが公表され、長期投資の重要性がますます注目されています。
長期投資の最も大きなメリットは、「複利効果」とも言われています。この複利効果を活かすことで、月々の投資額が少額でも将来的に大きな資産を作ることが可能となります。
複利効果については次回の記事で詳しくご紹介いたします。
ここまで、投資初心者の方にとってのつみたてNISA の4つのメリットをご紹介させていただきましたが、始める前にはデメリットも理解しておくことも大切です。
最後に、つみたてNISA を選択する際の注意点をご紹介いたします。
購入方法は「積立投資」のみ
一般NISA では、一括投資と積立投資のどちらでも使用することができます。一般NISA での積立投資には、以下のようなメリットがあります。
・毎月少額で積立をしながら、資金に余裕があるときにはまとまった金額での購入が可能。 ・価格が下落したときにまとめて購入することで取得価額を下げられる。
一方でつみたてNISA での購入方法は「積立購入」のみですので、基本的には相場状況等に関わらず、毎月決まった日に一定額を運用することになります。
ただし、多くの金融機関で「ボーナス月設定」や「増額設定」※の利用が可能ですので、これらの機能を活かして、非課税枠をうまく利用することをおすすめします。
※ボーナス月設定:毎月の積立とは別に、任意で設定したボーナス月に増額できる機能。
※増額設定:年の途中から始めた際、年間の投資額に余裕があり、投資額を増やしたい場合に設定ができる機能。
一般NISAと比べて非課税投資枠が少額
現行の制度では、2023 年中はつみたてNISAの非課税投資額は40 万円(1 カ月あたり33,333 円)で、家計に余裕がある方や将来の資産形成のためにもう少し積立をしたい、という方とっては物足りないと感じるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?今回はつみたてNISA の特徴をご紹介いたしました。
みなさんがつみたてNISA を検討いただく際のご参考になれば幸いです。