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メディア紹介ウィークリーマーケットレポートSUSTEN 社内勉強会 Vol.50 2024年7月8日~7月12日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(7/8~7/12、海外市場は7/5~7/11)の動きを振り返ってみましょう。株式は一時下げましたが、利下げ期待の台頭で週次ベースでは上昇、7/11に公表されたCPI(消費者物価指数)は予想を下回る内容で債券利回り低下、債券価格上昇となりました。為替はドルの利回り低下と為替介入観測で円高進行となりました。
はまだ:「CPI(消費者物価指数)」という言葉はニュースでよく耳にしますよね。市場予想を下回る上昇率となった、と新聞で読みました。このことは、具体的にどのようにマーケットに影響を与えるのでしょうか?
ひろた:一言で言えば今後の利下げの可能性がより高まったことになりますね。ちょっと細かい説明をすると、通常のCPIは前月比で遂にマイナスとなり、コアCPIは前月比でプラス圏内に留まったものの前回を下回り市場の予想も下回る結果となりました。
はしもと:コアCPIとCPIは何が違うのでしょうか?
ひろた:CPIは、物価変動を測る目的で都市部の世帯が購入した物・サービスの価格を指数化したものですが、コアCPIはそこから食料品とエネルギーを除いて算出した指数です。食料品とエネルギーは天候や市況などの外的要因に価格が左右されやすいため、FRBや市場が注目するのは、このコアCPIのほうです。コアCPIは前月比で5月が+0.2%、6月が+0.1%と低下しており、4月以来3か月連続で低下していますね。この下落トレンドが続くようなら、7月は前月比でほぼフラットな状態になるかもしれません。
はまだ:市場では、9月の利下げ開始および年2回以上の利下げ実施について、確率90%以上というところまで織り込んだとニュースに出ていました。
はしもと:あれ?でも、6/12に行われたFOMCでは年1回の利下げが示されていましたよね?
ひろた:CPIなどの物価指数が今年に入って大きく上昇した後に、4月以降再び下落傾向に転じたことが原因です。1月~3月には、追加の利上げが必要になるかも、とFOMC参加者が考えるほどインフレが再び上昇していましたが、その後は下落傾向が顕著になっています。ちなみに、コアCPIの中で、パウエル議長が今後の方向性を示すものとして注目している項目を反映したものが「スーパーコアCPI」と呼ばれる指数で、コアCPIからさらに住宅関連支出を除いたものですが、こちらの指数は前月比で5月と6月に約3年ぶりのマイナスになるまで下落しています。
はしもと:パウエル議長が注目している「スーパーコアCPI」が下落して、インフレの収束を確信できるような状態になっているように見えますが…となるともう利下げは確実なんでしょうか?
ひろた:まだそうとは言い切れません。FRBがより重視している物価指数は対象範囲がCPIよりも広いPCE指数(個人消費支出価格指数)のほうであり、この6月分が公表されるのは7/26です。この指数の値がどうなるかに注目ですね。その直後に開催されるFOMCでどのような見解が示されるかで、9月のFOMCでの方向感が見えてくるはずです。
はまだ:なるほど…、市場予想通りに9月に利下げが開始されたら、為替相場も大きな影響を受けるのでしょうか?
はしもと:今回円高に大きく動いたのは、為替介入の影響が大きいのかと思っていましたが、利下げ観測の影響もありますよね?
ひろた:そうですね、もちろん政府の為替介入観測の影響もありましたが、ドルの金利が低下して円金利との差が縮小する可能性が高まったことが根本的な要因ですね。なので、利下げが開始されたらさらに円高ドル安へ進む可能性があり、そうなると、当社が採用している為替ヘッジを利用した運用手法のほうが有利となります。実際、今7月の月初来で見るとグローバル資産分散ポートフォリオ(R)と グローバル複合戦略ポートフォリオ(G)を半分ずつ組み入れたヘッジファンドタイプのリターンは+2.0%、為替ヘッジをしていない世界株と世界株式を半分ずつ組み入れたポートフォリオは+0.7%となり、前者のほうがリターンが上回っていました。今後も要チェックですね。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!