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メディア紹介ウィークリーマーケットレポートSUSTEN 社内勉強会 Vol.46 2024年6月10日~6月14日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(6/10~6/14、海外市場は6/7~6/13)の動きを振り返ってみましょう。株価は上昇、債券価格も同様に上昇傾向にありましたね(利回りは下落)。また、為替については円安になっていました。
はまだ:ニュースで見ましたが、6/12に公表された5月CPI(米国消費者物価指数)は予想を下回ったようですね。インフレがやや減速している様子がうかがえましたが、そのあと開かれたFOMCでは当初の予想通り年内利下げ見通しが3回から1回に修正されていましたよね。
ひろた:そうですね、先週は日銀金融政策決定会合も開かれましたが、予想された国債買い入れの削減について、金額を含めた具体的な計画を決定するのは次回7月の会合に持ち越しとなりました。つまり今回は具体的な数字が示されなかったことになります。
はしもと:国債の買い入れを減額することは、何が起きるんでしょうか?
ひろた:現在、国債の残高の約半分強を保有し、最大の買い手となっている日銀が買い入れ額を減額すると、国債の価格自体が下落して長期金利は上昇しやすくなります。つまり、長期金利で見た場合の米ドルと日本円の金利差が縮小することとなるんですよね。
はまだ:今までは円が超低金利だったからこそ、円で運用しても利子がほとんど得られず、通貨としての魅力はドルのほうが高かったことによってドル高円安と言う結果になっていましたよね?ドルと円の金利差が縮小することによって、円高に振れてもよいのではないでしょうか?
ひろた:今回は金額なども含めて具体的な決定が次回に持ち越しとなったために、円安に振れてしまったんですね。米FRBは、いずれインフレが収束するならば政策金利を引下げる状況にあると明確に示していますが、日銀は3月にマイナス金利を解除したばかりで、金融政策をどの程度異次元緩和以前の状態へと戻していくのか示していないこともあり、日本の金融政策が為替相場に与える影響もまだ限定的に留まっている印象があります。
はしもと:なるほど…米国金利の方が影響は大きいようですね。6/12に米国で開催されたFOMCでは年内利下げの見通しが3回から1回に修正されたということでしたが、これはどう見ればよいのでしょうか?
ひろた:すでに前回4/30~5/1に行われたFOMCでの記者会見で利下げ時期については見直しの可能性が示されていました。なぜなら、1月~3月のインフレ率が高止まりしており、景気や労働市場が堅調で利下げに踏み切れる状況に近づいてはいないとの判断だったからです。ですので、今回の注目点の1つは昨年12月以降のFOMCで3回と示されていた年内利下げ回数が何回まで減らされるか、だった訳です。年末時点のインフレ見通しが2.6%から2.8%へと引き上げられた中で、メインシナリオ通りの変更だったかと思います。
はまだ:ですが、4月以降やや景気減速、インフレ減速の兆候が見えてきていましたよね?
ひろた:そうですね、同じ6/12公表のCPIの上昇率も低めだったことから、今回のFOMCでは利下げ回数をさほど減らさないかも、との期待もありましたが、記者会見ではインフレが年2%の目標への向かう動きを確認したい、との慎重なスタンスを示し、今回のFOMCでは反映されていませんでしたね。実は、今回のドットチャートでは年内の利下げ回数に関する投票数は2回とした人が8人、1回とした人が7人、0回とした人が4人で、実は2回の利下げを推す人が最も多かったのです。あくまでドットチャートの数字はメンバーが投票した値の中央値であり、何かを合議して決めたものではありません。
はしもと:FOMCのメンバーの間でも見方や判断が微妙に違っているのですね。今後のインフレや労働市場等の指標が足元の傾向を継続するかどうかが次回以降のFOMCのカギとなりそうですね。
ひろた:そういうことになります。なお、中長期的な政策金利の見込み水準を示す「Longer Run」、中立金利とも呼ばれますが、この値が前回の3月と今回の2回続けて上向きに修正され、今回は2.8%とやや引上げられています。この「Longer Run」の値は2019年半ばからコロナ禍を挟んで2.5%でほぼ一定でした。長期的な視点で見ると政策金利は少し高めでよい、と考えるFOMC参加者が増えたということですので、今後の利下げ回数などに影響するかもしれません。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!