SUSTEN 社内勉強会 Vol.45 2024年6月3日~6月7日の振り返り
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(6/3~6/7、海外市場は5/31~6/6)の動きを振り返ってみましょう。株価はADP雇用者数やISM製造業指数、雇用動態調査(JOLTS)求人件数などの公表を受けて利下げ期待でやや上昇しました。ただ、その後6/7に公表された米国雇用統計のあとにはやや下落していました。債券は10年債の価格が上昇(利回りが下落)、為替についてはややドル安方向で推移していましたね。
はまだ:今回の雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びも時給の伸びも結構強めの数字だったんですよね。5月の公表値は景気の減速を示すような数字だっただけに、今回はちょっとびっくりしました。
ひろた:そうですね、5月末頃から先週にかけて米国経済の減速シナリオの台頭で債券利回りが5日間で0.3%も下落していましたが、予想に反して6/7に公表された雇用統計が強い数字だったことを受けて債券利回りが逆に0.15%上昇しています。ドル円もこれに連動する形でいったんドル安に進んだ後にややドル高に転じていました。
はしもと:今週は日本もアメリカも、金融政策の発表がありますよね。アメリカはFOMCが6/11~6/12、日本の日銀金融政策決定会合は6/13~6/14に開催されます。注目ですね!
ひろた:先週は欧州中央銀行やカナダ中銀が利下げに踏み切りましたが、今の状況を整理しておきましょう。CMEフェドウォッチで見る米国の利下げ予想ですが、雇用統計発表前には「9月に70%の確率で利下げをする」と織り込んでいましたが、雇用統計発表後の今となっては「9月の利下げ有無は五分五分」という予想になっています。「今年は利下げは行わない」という確率も10%ほど織り込まれているんですよね。
はまだ:9月に利下げがあるかどうか、市場参加者も確信が持てていないんですね…。6/12のFOMC次第でまだ大きく市場が動きそうですね。
ひろた:そうですね、今週はFOMCで四半期に一度公表されるドットチャートが更新されますので、これから年末に向けてのスタンスがより明確に示されることとなります。直近1週間で債券利回りが大きく下がった要因は、はしもとさんが説明してくれたように、製造業関連の指数が悪化し労働市場の需給関係が緩んできた中で、インフレ指標が落ち着きを見せたことが挙げられます。サプライズだったのは6/7の雇用統計で、労働市場での需要が依然として強いことを示すような内容でしたね。
はしもと:FRBの高官は、インフレが収まったという確信が持てるまでは利下げに関して慎重に判断したいという趣旨の発言をよくしていますよね。
はまだ:少し景気が鈍化したかと思えば、また予想を上回る結果が出たりと、なかなかインフレの収束を確信できるような状況にならないですね。
ひろた:一方で、政策金利は歴史的に見てもかなり高い水準で維持されていて、直近のインフレ率を差し引いた実質ベースで見ても2.75%とかなり上昇しており、これほど高い状態にあるのは、リーマンショック直前の好況時であった2007年頃以来のことです。
はまだ:そうだったんですね、となるとFRBは、景気減速が行き過ぎないタイミングで政策金利を少しでも下げておきたいと思いますよね…。難しい判断を迫られている感じがします。
ひろた:米国の話ばかりでしたが、日銀の金融政策決定会合も注目されています。特に今は為替相場に影響がありそうですね。歴史的な円安も気になる中で、今後のスタンスを含め金利引き締め的な姿勢を示すかどうかという点に注目です。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!