SUSTEN 社内勉強会 Vol.39 2024年4月8日~4月12日の振り返り
※4月1日~5日分のマーケットの振り返りは、都合によりお休みとなりました。
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(4/8~4/12、海外市場は4/5~4/11)の動きを振り返ってみましょう。株式はプラスでしたが、その直後の4/12には大きく下落、債券は2週続けて大きくマイナスでした。為替は、153円台となりドル高円安となっていました。
Andy:この期間には4/5に米国雇用統計、4/10に3月の米消費者物価指数(CPI)の公表がありましたよね。CPIについてはコア指数が3か月連続で市場予想を上回る伸びとなったとニュースで目にしました。
はしもと:3月の米雇用統計も、非農業部門雇用者数が昨年5月以来の30万人増となり、失業率が低下したとのこと。市場予測を上回る結果になったようですね。
ひろた:そうですね、CPIの前年比上昇率が上昇に転ずるなど、インフレ率の低下が見通しにくくなっている中で、FRBが現在の金融引締め状態をより長く維持することになり、利下げ開始を遅らせるのでは、という見方が台頭、直近では市場が織り込んでいる年内の利下げ回数が3回から2回へと少なくなってきました。中東情勢が緊迫化し債券が買われる場面もあったのですが長続きせず、結局債券の利回りは昨年の11月頃の水準まで戻ってしまいましたね。
はしもと:なるほど、利下げの見通しがこれほどまでに変化したのは驚きですね。
ひろた:何だかこのまま金利が下がらなくなるのでは、って思いたくもなりますが、メインシナリオとしては依然として利下げの方向に進んでいる、ということなんですよね。そのベースとなる考え方として、「中立金利」についてお話したいと思います。中立金利という言葉をご存知ですか?
Andy:いえ、聞いたことがないです。中立金利という言葉だけでは、どういう金利のことを指すのかイメージがわきません。
ひろた:そうですよね。中立金利とは、長期的に経済が均衡する状態の政策金利のことを指します。言い換えれば、景気を過熱させず、かつ冷やしもしない理論上の金利水準のことです。
はしもと:長期的に経済が均衡する状態の政策金利…?まだあまりイメージができないです…。
ひろた:簡単に言えば、中央銀行が金融政策の緩和も引締めもしなくて良い状態の時の金利、ということです。現在FRBはインフレ率が目標水準の2%にある時の中立金利を2.5%程度と考えています。つまり、今後インフレ率が足元の3%近辺から2%に低下していくならば、政策金利も今の5.25-5.5%から2.5%へと引き下げていく方向で調整することを意味しています。ちなみに、このような長期的な均衡水準の政策金利は、FOMCのドットチャート公表時にいつも示されています。
Andy:政策金利がいずれ2.5%へと引下げられるのならば、債券利回りも低下、つまり債券価格が値上がりするということですね。
ひろた:そうですね。実際にそうなるかは分かりませんが、そういった大局観を持っておくことも大事です。ただし、今後、中立金利の水準についても議論が起こる可能性があることも付け加えておきましょう。
はしもと:ありがとうございました!今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!