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メディア紹介ウィークリーマーケットレポートSUSTEN 社内勉強会 Vol.35
2024年3月12日 SUSTEN社内勉強会の様子
SUSTENでは、金融業界未経験のメンバーを中心に、より金融知識を深めるべく毎週社内勉強会を開催しています!
はしもと:先週(3/4~3/8、海外市場は3/1~3/7)の動きを振り返ってみましょう! 株式は3/7までは若干のプラスでしたが、3/8には株価下落となりました。債券は利回り下落で債券価格上昇となり、為替は少し円高進行でしたよね。
Andy:3/6、7には、FRBのパウエル議長の議会証言がありましたよね。インフレ率が目標の2%に向かっていることを注視しつつ、経済が予想通りに推移するならば年内の利下げを検討する旨の内容だったようです。FRBの方針に特に変化がないことが確認できたので一安心というところでしょうか。
はしもと:3/8には雇用統計もありましたよね。前月に雇用者の増加数が予想を大きく上回っていたのが、今回は下方修正されてさほど大きい伸びではなかったと判明し、失業率は予想よりも上昇、時間当たりの賃金上昇率は低下、ということで景気が良いのかどうか見えづらかったような…。債券利回りが下落して為替は大きくドル安傾向になっていました。
ひろた:そうですね、米国の労働市場の需給のタイトさが緩やかになってきていて、インフレ圧力には繋がらない感じでした。米政策金利は年内の引下げの可能性が高まり、一方で日本は賃上げが順調に進みそうな状況で、日銀のマイナス金利解除の条件が整ってきたとの見方から、ドル円相場は円高に大きく振れていました。 この影響で、世界株式に投資する当社の2ファンドの週次リターンは、「グローバル資産分散ポートフォリオ」(Rファンド)がプラス、「マネーフォワード全世界株式インデックスファンド」はマイナスと結果が分かれました。
はしもと:2つとも、同じ世界株式に投資するファンドなのに、為替ヘッジの違いでリターンが一方はプラス、もう一方はマイナスになったんですね?
ひろた:その通りです。「マネーフォワード全世界株式インデックスファンド」は、個人投資家に人気の「オルカン」(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))と同様に為替ヘッジ無し、Rファンドは50%ヘッジしています。為替ヘッジ無しにすると、どういう影響があるかわかりますか?
Andy:海外の資産については為替リスクを取ることになりますよね。ここ数年は円安だったので、メリットがあったように思いますが…。
ひろた:そうですね。少し振り返ると、コロナ禍以降は先進国で唯一金融緩和を継続していた日本の円がドルなど他の通貨に対して安くなる傾向が続いていたので、為替ヘッジ無しの方がご利益があったことになります。でも、実は為替レートって誰も理論的に妥当な水準って決められないんですよね。歴史的に見れば、過去30~40年で、1ドル100円を下回る円高の時期もあれば、1ドル150円を超える円安の時期もありました。
はしもと:たしかに…。円高になるときもあれば、円安になるときもありますよね。 となると、為替リスクはヘッジして、為替リスクを取らないほうがいいということでしょうか?
Andy:都合のいいことを言えば、為替の値動きを見て恩恵が受けられそうなときだけ為替リスクを取れるとうれしいですが、その予測が難しそうですよね。となると、為替リスクをヘッジしてしまうのがいいような気がします。
ひろた:他の投資対象と比べてみると、株や債券は企業の利益や債券の利子から来るリターンを期待できますが、単に円をドルやユーロの外貨に両替しても、それだけでは利益を得られるかは分かりません。 つまり為替リスクには株式リスクや金利リスクのようなリターンの源泉がないことになります。だったら、為替リスクをゼロにしてしまうのが良さそうですが、研究によれば、為替リスクをある程度とる状態が最適であるとの結果が出ていて、SUSTENではこの成果などを参考に、Rファンドの為替ヘッジ比率を決めています。為替相場の将来を予測するのはプロでも難しいので、為替ヘッジ比率の異なる運用商品に分散して投資するのも一つのアイデアですね。
Andy:なるほど…。為替リスクを完全にヘッジしてしまうのも最適とは言えないのですね。勉強になります。
はしもと:ありがとうございました! 今日はここまでにしたいと思います。今後も、ファンドの動きとマーケットの情報をアップデートしていきましょう!