2025年2月24日〜2月28日 ウィークリーマーケットレポート
SUSTENでは、前週のマーケットの動きを毎週レポートにしています！
先週（2025年2月24日〜2月28日）の米国市場の動きを振り返ってみましょう。
米国株式は下落しました。米コンファレンスボード消費者信頼感指数①や米新規失業保険申請件数が予想より弱く、米国内での景気減速懸念が高まったほか、トランプ米大統領がメキシコ・カナダへの関税措置を予定通り発動し、中国には追加で10％の関税を課すとSNSで述べた②ことなどから、週後半まで株価は下落基調となりました。2/28の取引終了にかけて株価は反発したものの、下落分を埋めきれず、週を通してはマイナスで着地しました。
米10年債利回りは低下しました（債券価格は上昇）。予想より弱い米コンファレンスボード消費者信頼感指数①や新規失業保険申請件数などから利下げ期待が強まったことや、トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が会談にて口論となった末、鉱物資源の権益に関する合意文書への署名に至らず③、地政学的懸念が高まったことなどから、週を通して利回りは低下しました。
ドル/円レートは、円安・ドル高が進行しました。トランプ米大統領がメキシコ・カナダへの関税措置を計画通り進める姿勢を繰り返し示したこと②や、10～12月期国内総生産（GDP）改定値が予想外に上方修正されたことなどに反応しました。米国債の利回りは週を通して低下したものの、週を通してトランプ政権の関税政策への懸念がドルを押し上げる結果となりました。
- この週は、トランプ政権の関税政策やウクライナ情勢を巡る動き、弱めの経済指標、エヌビディアの決算発表など多くのニュースが日替わりで市場の変動要因となりました。この中で、1～2年前からAI相場をけん引してきた銘柄群が、大きく値を下げる展開が目立っています。典型的な例がエヌビディアで、2023～2024年の2年間で+800%という驚異的なリターンを記録した後、今年に入ってからは、3/3時点で▲15%の下落となっています。
- 米国の大型株1000銘柄を成長性や割安度の観点からグロース株（成長性の高い銘柄群）とバリュー株（成長性は低いが割安な銘柄群）に分類し算出するラッセル1000グロース指数と同バリュー指数が公表されています。2023～2024年の2年間ではグロース指数のリターンがバリュー指数のリターンに対して約3倍と大きく上回りましたが、興味深いことに2025年にはそれが逆転し、グロース指数が直近の最高値からの下落率が▲8%に達している一方で、バリュー指数は年初来でプラスを維持しています。一株当りの利益が2023年以降総じて増加傾向であることから、グロース株のバリュエーション（企業価値評価、将来の利益成長の織り込み方）の見直しが進んでいることが2月後半以来の株式市場の不調の原因と言えそうです。
- 株価を2つの構成要素（一株当り利益 × 株価収益率（PER））で考えると、バリュエーションの指標であるPERが永遠に上昇し続けることはなく、過去平均を上回って上昇したPERはいずれ低下するのが一般的です。2023年以降、グロース株の一株当り利益とPERの両方が上昇して株式市場全体をけん引してきましたが、PERの見直しが進むのは健全な動きとも言えます。
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