2025年1月27日〜1月31日 ウィークリーマーケットレポート
SUSTENでは、前週のマーケットの動きを毎週レポートにしています!
先週(2025年1月27日〜1月31日)の米国市場の動きを振り返ってみましょう。
米国株式は下落しました。週初は、中国の新興AI企業DeepSeekが開発した低コストの生成AIモデルの利用が急拡大しているとの報道①などを受け、大手ハイテク企業による大規模なAI関連投資の必要性に懐疑的な見方が広がったことから、半導体関連株や電力関連株などが急落しました。その後、買い戻しの動きなどから株価は徐々に上昇しましたが、トランプ政権によりカナダ・メキシコへの関税を2月1日に即時発動するのと姿勢が示された③ことから株価は再び下落し、週を通してはマイナスで着地しました。
米10年債利回りは低下しました(債券価格は上昇)。週初は、DeepSeekによる生成AIモデルの利用が拡大しているとの報道①を受け、ハイテク株を中心に株価が急落し、リスク回避の動きなどから利回りは低下しました(債券価格は上昇)。その後は、巻き戻しの動きや米国の個人消費が堅調だったことなどから利回りは小幅に上昇したものの(債券価格は下落)、軽微な動きに留まりました。なお連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置き(4.25-4.5%)が決定②され、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はトランプ政権の政策の影響について、判断を下すのは時期尚早であり、その動向について注意深く見守るとの姿勢を示しました。
ドル/円レートは、円高・ドル安が進行しました。週初はDeepSeekの生成AIモデルの利用拡大報道①を受けて、安全資産である円へ資金が流入したことや、米国債の利回り低下などからドル円は下落しました。
- この週は、まず1/27に、中国で人工知能(AI)を手掛ける新興企業のDeepSeekが低コストで高性能の生成AIモデルを開発したとのニュースから、巨額のAI関連投資を進めている米国企業の優位性が疑問視され、大手ハイテク銘柄や半導体などAI関連銘柄が大きく下落しました。また、1/31にはトランプ政権がカナダ・メキシコ・中国からの輸入に関する関税引上げを2月初から実施する旨を公表し、幅広い銘柄で売りが優勢となり株式市場は再び大きく下落しました。いずれも短時間で大きく株安が進行しており、リスクオフ(リスク回避)で売りが急に優勢となったものと言えそうです。
- DeepSeek社の件は、従来の常識を覆すような先進的な技術革新のイベントが、既存の技術やそれに依存する企業に大きな影響を与える可能性があることを示しました。加えて、DeepSeek社の技術レベルを高く評価し、米国企業への良い刺激になると前向きに捉える見方がある一方、同社が米国OpenAIの技術を不正利用しているとの疑惑が浮上し、米欧で国家安全保障や知的財産保護の観点から対応を検討する動きも出ており、単なる技術革新上のイベントに留まらず、国家間の技術覇権争いへの波及も注目されています。
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