2024年12月9日〜12月13日 ウィークリーマーケットレポート
SUSTENでは、前週のマーケットの動きを毎週レポートにしています!
先週(12/9~12/13)の米国市場の動きを振り返ってみましょう。
米国株式は下落しました。週半ばにかけては、12/11以降に控える経済指標の発表への警戒感などから、慎重な動きが広がり株価は下落しました。週半ばには、米消費者物価指数(CPI)は予想通りであった②ものの、12月の米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が高まったことから一時株価は切り返しました。しかし、その後発表された米生産者物価指数(PPI)が予想を上回った点③などから利下げペースの減速が意識されたことで再び株価は下落し、週を通してもマイナスの着地となりました。
米10年債利回りは上昇しました(債券価格は下落)。CPIの発表を受けて一時FRBによる利下げ期待が高まり、利回りが低下する局面もありましたが、PPI③や米輸入物価指数が予想を上回ったことなどから米債利回りは上昇しました。
ドル/円レートは、概ね米債利回りの上昇に連動し、円安・ドル高が進行しました。なお12/11に、「日銀は利上げを急がず、今月利下げを見送っても物価加速リスクは小さい」との報道①があったことも一段とドル円の押し上げ要因となり、1ドル150円台から1ドル153円台へ上昇しました。
- 今週も引続き米国株式の価格水準について考えてみたいと思います。前回は株価の割高・割安を測る代表的指標として株価収益率に注目しました。但し、直近の22倍強という水準は過去10年の平均約18倍を上回っている、と言われても、何だかピンと来ないかも知れません。
- このような時には、この株価収益率(PER)の逆数である株式益回り(1÷PER、一株当り利益÷株価)で考えて見ると良いでしょう。債券を買うと定期的に利子を受け取れるのと同様、株式を買うとその企業が稼いだ利益は株主に帰属するので、株式の値段である株価と企業の一株当り利益とは、債券の額面と利子に近い関係と捉えることが出来ます。
- 米国の株式益回り(S&P500)の過去10年平均は約5.4%、直近の水準は約4.5%です。これだけでは割高かどうか判断しづらいですが、米国の10年物国債の利回りとの差(イールドスプレッド)では大きな違いがあります。10年債利回りの過去10年平均=約2.5%、直近=約4.4%なので、株式益回りと10年債利回りの差(イールドスプレッド)は、過去10年平均=2.9%、直近=0.1%と顕著に縮小しています。このイールドスプレッドは、債券に比べてリスクの高い株式を持つ上で投資家が受け取れる上乗せ収益(プレミアム)を示しており、直近では、米国債券と比較した場合の米国株式の上乗せ収益はほとんどゼロに近いことになります。
- もっとも、直近の10年債利回りは、2022年以来の米FRBの急激な利上げが影響して大きく上昇した経緯があり、今後FRBが利下げを続けるならば、10年債利回りの低下と共に、イールドスプレッドも徐々に過去平均の水準へと近づいていくと思われます。実際、利下げ開始を控えた本年6月頃から10年債利回りは低下傾向を見せていました。しかし、米国経済の堅調さが確認されるにつれて再び10年債利回りは上昇に転じ、11月にはトランプ氏の返り咲きを前に更に上昇しています。今後10年債利回りがインフレ再発等の理由で下げ留まる場合、同時に企業収益の上振れが期待できるとしても、イールドスプレッドの状態から見て割高と見える状態は継続することになりそうです。
- このように、株価収益率(PER)の逆数である株式益回り(一株当り利益÷株価)を債券利回りと比較することは、株価の割高・割安の度合いを判断する材料となります。株式市場の動向を考える上では、企業利益の見通しに加えて、債券利回りがどう動くかについても注目しておくと良いことが分かります。
追記
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